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見つめる瞳 [ブックレビュー]

いつも、いっつも

福ちゃんと過ごす時間は、
いつでもどこでも私のことを見ています。

決して近づいて甘えてくるわけではないけれど、
とにかくいつも見つめています。

その視線は切なくなるくらい。

最近、お耳がほとんど聞こえないようで、
眠っていることが増えましたが、
空気の流れや振動を敏感にキャッチ。
私が動けば、福ちゃんの視線も動きます。
私が落ち着いて椅子に座って何かをしているのを確認すると、
安心してまどろんでいます。

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見つめてくるこの瞳が私の視界から消えてしまう日がきたら、
私、きっと福ちゃんロスになってしまいそう。

そんな私に、今共に過ごすことを一生懸命楽しまなくちゃと思わせてくれる、
そんな1冊の本。

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飼い主さんとワンコの愛情いっぱいのやり取りはとても微笑ましいです。
それでも、神奈川県動物保護センターのくだりは、
涙なしでは読めませんでした。

今の私の心に響く本です。

奇跡のような出会いの福ちゃんと過ごす時間はきらきらで幸せ。
今日も福ちゃんの熱い視線を受け止めて、今を笑顔で大切にしないとね!


『しゃぼん玉』 [ブックレビュー]

久しぶりの乃波アサ作品です

  『しゃぼん玉』 乃南アサ著 新潮文庫

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読み終えた今、心に残るのは真っ当に生きる強い心、そして日々の生活をコツコツと大切にすること。

今のような時代だからこそ、もう一度見直したい日本人が慈しんできた丁寧な暮らし方をこの小説に見たような気がします

平家の落人の里と言われる宮崎県の山奥の風景。
その中で、これでもかと言うほど心の貧しい青年が、お爺さん、お婆さんたちと暮らしながら更正していく姿を丁寧に綴っています。

毎日の手作りの食事、清潔な衣類、温かいお風呂、何気ない会話・・・当たり前のことが、現代社会ではなかなか手に入らなくなっていることが、人の心を蝕んでいるのかも知れません。

とてもベタなテーマを、乃南アサ氏の筆力には一気に読みすすめる力があります。

こんな素敵な作品が映画化されたらどんなに良いかしら、そう思える1冊でした。


「山椒茶屋」 [ブックレビュー]

セキセイインコの可愛さが丸ごと1冊です

「山椒茶屋 インコはじめました」  よんよん著 

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会社を辞めた主人公が、セキセイインコと始めた1人と1羽の日常を、ゆる~い感じで綴ったコミックエッセイです。

クリが☆になった頃、なんとなくインターネットサーフィンをしていて出会った1冊。

その理由は、主役のセキセイインコがちょこ太くん、フクちゃん、クリと同じ色のパステルカラーレインボウだったから。

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鳥と生活をしていると当たり前のように起こる、日々の楽しい面白い出来事。
でも何となく過ぎ去ってしまう可愛い瞬間。

そんな素敵な日常が盛りだくさんです。

インコと生活している人は勿論のこと、かつてインコと暮らしていた人にとって「あるあるこんなこと、あんなこと」と思える瞬間がとても上手に表現されています。

このコミックを読んだら、誰もがインコと生活をしてみたいと思う楽しい本です。

作者のよんよんさんは、鳥さんブログでいつも上位にいらっしゃるようです。

作品に触れてみたい方は、こちらへ[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]

     http://sanshopiripiri.blog64.fc2.com/


コンパニオンバード 13号 [ブックレビュー]


愛鳥家必見の雑誌です

2004年に創刊されて、今回で13冊目の雑誌コンパニオンバード[ぴかぴか(新しい)]が発売になりました。

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書店の棚に、犬や猫の雑誌はずいぶん増えてきましたが、相変わらず鳥に関する書籍や雑誌はわずかしかありません。

そんな中で、この雑誌は、色とりどりの鳥たちの写真が多く盛り込まれ、鳥に関する情報や知識が盛りだくさんの1冊です。

今回は、「鳥医療を支える医師たち」という特集で、我が家のインコたちがお世話になったお二人の先生がインタビューに応えているページが掲載。

     セキセイインコ・ジュンが精巣癌になった時にお世話になりました。
     横浜小鳥の病院長の海老沢先生[かわいい]
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     つい先日まで、長年お世話になっていた恵比寿バードクリニックの浜本先生[かわいい]
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そして、嬉しい特集[手(チョキ)]
  ・・・オーストラリアの自然の中で生活するセキセイインコとオカメインコの写真がたっぷり。
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犬や猫と同じかそれよりも長い寿命を持つ小鳥たち。
飼い鳥の命の責任は飼い主にあります。

多くの犬や猫が、今や動物病院で健康診断を受ける時代になりました。

それと同等に、小鳥たちもしっかりと健康管理をしてもらえる環境になって欲しいと願います。

 

    ********** とうとうマウスがダメになりました[もうやだ~(悲しい顔)]

真ん中のゴムが破れ、引っかかって回らなくなった私のマウスちゃん。
だましだまし使っていましたが、イライラがつのり、ついに新しいものに買い換えることに。

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犯人はこの鳥(ひと)[パンチ]・・・カメラを向けるとなぜか喜んで近づいてきます[るんるん]

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結局、甘やかした飼い主の責任・・・とほほ~[ふらふら]

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新調したワイヤレスの高性能マウスは夫に譲り、私はお下がり。
やんちゃインコに破壊される危険が迫っているので、仕方がありません[たらーっ(汗)]


「断捨離」で決心! [ブックレビュー]


人生に新しい風が吹き込んでくるといいな!

お彼岸の三連休、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

横浜は、金曜日から今日まで強風が吹き荒れ(一時は強風警報も発令)、散々な週末でした。
夜になり、やっと風がおさまり、冷たい空気が流れ込んでいます。

私は、この休みはのんびり、ゆっくり、地味に過ごしています。

強風の中のテニスはコートを右往左往し、大変なことになりました。

明日は義父の祥月命日。
お彼岸のお墓参りと、義母宅で親戚のお食事会で、ほんの少し嫁の務めを果たしに参ります。

    **********

新聞の書評欄、FMラジオで話題になっている本を買いました。

 「新・片付け術 断捨離」 やましたひでこ著

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「仏舎利(ぶっしゃり)」という言葉は知っていますが、「断捨離」とは?
何でしょうこの言葉、日本語?

そうです、この本の著者の造語。
ですから、知らなくて当然。

これまで、家の中の整理整頓、片付けや収納に関する雑誌の記事やHow to本はたくさん読み、参考にしてきました。

しかし一時その気になって実践はしたものの、結局元に戻ってしまうのが現状。

我が家は夫婦2人の生活なので、それほど物で溢れ返るような状態ではありません。

しかし、捨てるに捨てられないもの、何となくこれから使うかも知れないと保管しているもの、知らず知らずのうちに増えてしまったものなどで、押入れや戸棚、本棚は物でギチギチ。

何とかしようと思いつつ、行動が伴わずに、見て見ぬふりをしていました。

その決心を180度転換・・・とまではいきませんが、この本によって意識改革が起こり、整理整頓の行動を後押ししてもらえたような気がします。

家の中のあらゆる物を整理し、今、そしてこれからの人生に必要なもの、そして愛着のあるものだけを残して処分する決心がつきました。

物を大事にする、エコを意識することは大切です。

しかし、溜め込んでしまったものは排出しないと、新しいものが入ってくる余地がありません。

自分にとって不必要なものを排除し、本当に必要なものだけを厳選して長く使う、とことん使う、そんな生活がこれからは必要だとつくづく感じています。

物を処分したくても、その踏ん切りがつかない、そんな方は是非この本を読んで、背中をポンと押してもらってください。

ただし、この本には、片付けや収納の具体的な方法は載っていませんので悪しからず。


「冷い夏 熱い夏」 [ブックレビュー]


日本人の生死観とは


吉村昭氏は、年月を費やし、緻密かつ丁寧に仕上げた作品が多いと思います。

以前から1度読んでみたかった作品です。

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内容(「BOOK」データベースより)
何の自覚症状もなく発見された胸部の白い影―強い絆で結ばれた働き盛りの弟を突然襲った癌にたじろぐ「私」。それが最悪のものであり、手術後1年以上の延命例が皆無なことを知らされた「私」は、どんなことがあっても弟に隠し通すことを決意する。激痛にもだえ人間としての矜持を失っていく弟…。ゆるぎない眼でその死を見つめ、深い鎮魂に至る感動の長編小説。毎日芸術賞受賞。

  **********

この作品は、昭和50年代の出来事を、平成2年に書き下ろしたものなので、医学の進歩がめざましい現代に全てが当てはまるものではありません。

「癌=死」という時代でもなくなり、本人への告知もごく当たり前のようになってきています。

しかし、日本人の生死観が医学の進歩ほど変化しているとは思いません。

事実、夫の実家と私の実家では、考え方が正反対です。

義父は3年前の春、脳腫瘍と肺癌で亡くなりました。
しかし、本当の病名は本人に明かされることもなく、手術は家族の同意だけで行われ、入院から3週間で旅立っていきました。

私の母は、乳癌で片胸をリンパ節まで摘出し、抗がん剤の治療の期間も終わり、76歳の今、1日1日を大切に元気にしております。

また、79歳の父は2年前の夏、心筋梗塞で倒れ、その時に大腸ガンが見つかり、S字結腸を摘出しました。
その後すい臓への転移も医師より指摘されていますが、本人の意志により、抗がん剤治療などは一切行っておりません。

自分のことは自分の意思で決める、そのような考え方の中で育った私にとって、夫の実家の家族の感覚を受け入れるのに大変時間がかかりました。

この本を読むまで、「癌の告知」についての考え方の違いを理解できていなかったのかも知れません。

日本人の3人に一人が癌になる今、家族がそうなった時、また自分がそうなった時にどうすることが良いのか、考えておく必要があるのではないでしょうか。

そのことを考えるための題材として、この本は素晴らしい作品だと思います。

もしも自分自身が癌告知をされたら、平常心でいられるのか甚だ疑問ではありますが・・・。

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先日、鎌倉・建長寺で見た夕日です。
毎日の当たり前の出来事を、普通に過ごす事ができる、それが一番の幸せなのかも知れません。

「幽霊人命救助隊」 [ブックレビュー]


昭和のギャグ連発、懐かしさいっぱい!


横浜ルミネの中の有隣堂は、比較的多きな本屋さんです。

専門書もたくさんありますが、会社帰りの勤め人、お買い物途中のOLさんが立ち寄る店舗だけあって、文庫本の種類が豊富です。

そんな中で、ふと目に付いた1冊がこの本でした。

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  [ぴかぴか(新しい)]高野和明(著) 「幽霊人命救助隊」 文春文庫

手に取るきっかけは、「養老孟子氏推奨!」と書かれた帯でした。

帯より・・・天国に行けない霊たちがこの世に下りて、自殺志願者の命を救って救ってすくいまくる。 「夕方までは死なないで下さい。僕たちが必ず助けてあげます」 涙と笑いの波状攻撃、ここに炸裂!

自殺、うつ病、自己破産、生活保護、結婚詐欺・・・・次々と出てくる現代の重いテーマを分かりやすく描き、読みやすく仕立てた文章で、読み始めたら止まりません。

途中で出てくる、昭和40年代以降の懐かしいオヤジギャグの数々[かわいい]
(すんなりと受け入れられる自分が微妙ですが。。。)

生き抜くことの大切さ、寿命を全うすることが自分のためだけではなく、家族、親戚、友人など、自分を取り巻く周りの人々のためであることがよく理解できます。

お涙頂戴の小説が苦手ですが、この幽霊たちが最後に救った人命の章では、ジワ~っと涙が出ました。
(電車で東京に向かっている途中でした・・・[ふらふら]

読んでいる途中では夢中になっても、読後に空しさが残りすっきりこない小説もあります。
その点、この小説は読み終わった後、すっきり、さっぱり、感激、感動、生きていてよかったと思える作品。

命の大切さをこの小説で感じてみてはいかがでしょう。


2月23日のNHKスペシャル [ブックレビュー]

NHKスペシャル「菜の花畑の笑顔と銃弾」


私が仕事を終えて帰宅するのは、だいたい21時45分頃。

先に帰宅する夫は、私が昼間に作った食事を温め、ゆっくりと晩酌を楽しんでいます。
その後、帰宅した私に付き合って1日の出来事を話しながら2人で夕食がいつものスタイル。

例外を除いて、“食事の時はテレビを点けない”というのが我が家のルールです。


今日は、例外でした。番組は22時からのNHKスペシャル。

アフガニスタンで殺害された伊藤和也さんが遺した3千枚の写真をもとに現地を訪ね、戦乱の地の過酷な現実、国際援助のあり方を浮き彫りにしたドキュメンタリーでした。


【番組の内容はNHKのHPより】
『昨年8月、アフガニスタンで殺害された伊藤和也さん(31歳)。今、ここに彼が撮影した写真3千枚が遺されている。5年に渡り撮影された写真には現地の人々と共に格闘した用水路建設、農作業の苦闘、地元の食事に招かれ共に談笑する姿、そして緑が戻った大地で一面の菜の花を駆けめぐる子供達の笑顔が印象的に写されている。写真に写されたアフガニスタンの人々は今、彼らのために働いた伊藤さんが、なぜ銃弾による非業の死を遂げねばならなかったのか、問い返す日々を送っている。「彼が遺してくれたものとは何なのか」。番組では、遺された写真やメール、手紙などをもとに、写真に写されているアフガニスタンの人々を訪ね、ひとりの青年の軌跡を克明にトレースした映像をもとに、戦乱の地の過酷な現実、救援活動の試行錯誤、国際援助のあり方を浮き彫りにする。なお、現地には外国のメディアは入ることを許されず、今回の撮影映像は、最新の状況を伝えるスクープ性の高いものである。』


貧困のためにケシの花を栽培し、それをゲリラ集団に売り現金を手に入れる生活を続ける農民たちに、サツマイモやブドウの栽培を指導し、生きる喜び、収穫の楽しさを伝える伊藤さんの活動。

地元の農民に家族のように慕われた伊藤さんが、アフガニスタン人に殺害された悲劇。

直接の原因ではなくても、その裏に見え隠れする、日本の米軍への燃料補給など軍事援助。

国際協力のあり方、難しさを根本から考え直さなければ世界の平和などありえないという警告を、伊藤さんが命と引き換えに私たちに伝えているような気がします。


 ++++++++++++++++++

アメリカは国内でのケシの栽培を禁じています。
しかし、トルコとインドでの生産には報酬を与え、パキスタンやタイ、コロンビア、ミャンマー、アフガニスタンでの栽培には制裁を加えています。

ケシから作られるアヘンは、ヘロインの材料にもなりますが、痛み止めのモルヒネも作られます。

十数年前、紅茶の歴史を学んだときにアヘン戦争にぶつかりました。

国を滅ぼす力を持ったアヘンの魅力を知りたくて購入した1冊がこの本です。

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「アヘン」 ジム・ホグシャー著 青弓社

生活の中で愛用されてきた歴史から、アヘンの効用の化学分析、けしの栽培とアヘン抽出、アヘン茶の楽しみ方まで網羅しています。

実生活に直接役立つ本ではありません。
    (役立ったら困りますね)

しかし、この本を読むと、アヘンと人間のかかわり、その魅力を理解できる、興味深いまじめな作品です。


プレジデント・オバマ始動  [ブックレビュー]


人種、肌の色って何だろう?


昨晩、0時30分に、大統領就任式の会場から車で15分の所に住んでいるKathさんに電話をかけてみました。

てっきり、パレードか就任式の会場に出かけているものと思っていましたが、予想に反して、彼女は自宅の暖炉の前に座って、テレビでその様子を見ているとのことでした。

「200万人以上の人が集まるところに行ったら、息が詰まっちゃう。歴史的瞬間をその場で体験もしたかったけれど、家でゆっくりすることにしたわ。第一、公共の乗り物しか使えないものね。」

お互い、テレビの映像を見ながら、オバマ新大統領のこと、人種差別問題、戦争のこと、アメリカ国内の経済政策について30分ほどいろいろな話をしました。

Kathさんは、仕事柄、たくさんの外国人と接する機会が多く、人種や肌の色への偏見がほとんどありません。

しかし、アメリカ国内にはまだまだ黒人、アジア人、ヒスパニック系の人たちに対する差別はあり、だからこそ、オバマ氏が大統領になる、ということもこれだけ大きな話題と期待がかかっているのでしょう。

オバマ新大統領そしてその新政権は、世界の注目を集めています。

日本も例外ではなく、ここ数日、ずっと1面にその話題が載せられていました。

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アメリカが新しい大統領によって、どのように「チェンジ」していけるのか。

静かに見守りたいと思います。

     
     [目][かわいい][耳][かわいい]

黒人大統領誕生に伴って、日本のメディアが時々話題に出す「キング牧師」の伝記を、5、6年前に購入して読みました。

私自身が理解できていない、黒人人種差別の実態について、小学生高学年から大人向けに分かりやすく書かれた、ノンフィクションの1冊です。

黒人だけではなく、あらゆる人々の正義・平和・自由を求めたキング牧師の願いが伝わります。

この本を読むと、オバマ氏が大統領になったことの大きな意味の理解を少し深めることができるような気が致します。


「キング牧師」 V・シュローデト、P・ブラウン(著) 
         松村佐和子(約)   
         偕成社

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朱鷺の墓 [ブックレビュー]


サモワールそして紅茶がたくさん登場する小説です

五木寛之(著)  「朱鷺の墓」

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年末に本棚の整理をしていて、懐かしい文庫本が目に留まり、約30年ぶりに読み返してみたのが「朱鷺の墓」。

【あらすじ】
舞台は日露戦争下の城下町金沢。
東郭の美貌の芸妓・染乃はあるとき暴漢に襲われるが、金沢に捕虜として滞在していたロシア貴族出身の青年将校イワーノフに救われる。
やがてふたりは恋いに落ち結ばれるが、そのために周囲の偏見と迫害のうちに過酷な運命にもてあそばれる。
第一次世界大戦、ロシア革命、昭和恐慌と続く激動の時代の中で、ハルビン、ウラジオストック、ナホトカ、ソフィア、パリとめぐり日本に戻る。
しかし、安らぎを求めて帰ってきた日本で、一番悲しい運命が待ち受けていた。


「婦人画報」連載途中より話題となり、テレビドラマや演劇にもなった作品です。
実物の朱鷺には関係ありませんが、激しい試練に立ち向かってゆくふたりの愛を美しくはかない朱鷺のすがたにたくして描いた大河ロマンです。

この小説の中で度々登場し、ストーリーに奥行きと趣を与えてくれるのが、サモワールで淹れるルシアンティー。

著者・五木寛之の繊細な心遣いを感じる瞬間です。

ロシア人にとっての紅茶、そしてサモワールの存在と、ロシア貴族出身という階級社会での紅茶の意味を理解するのにとても良い本だと思います。

学生時代にこの本を読んだ時には、サモワールや紅茶のことには一切気づきませんでした。

本や映画の中で、文化を感じる「何か」に注目してみると、別の意味で興味深いものになります。

紅茶に興味のある方におすすめの1冊です。
    
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